はぎの通信 No.164(「しぶとさ」を超えて「図太く」)
はぎの通信 No. 164 (R8. 4.20)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
「しぶとさ」を超えて「図太く」(Beyond "stubbornness": "boldness")
新年度・新学期を迎え、長い冬を越えた長岡の街にも、ようやく春満開の気配が感じられるようになってきました。新しい学年や新しい目標を前に、心を新たにしている人も多いことでしょう。
さて、先月のある日の朝、私はNHKのAMラジオを聴いていました。その番組で、世界的な元テニスプレーヤーの伊達公子さんが、次のようなことを話しておられました。
「『しぶとさ』を超えて、さらにもう一段上の『図太さ』が、世界で戦い突き抜けていくには大切なこと。もちろん、それはフェアプレーを行ったうえでの『図太さ』である。」
私はこの言葉を聴きながら、とても印象に残りました。
「しぶとい」という言葉は、簡単にあきらめないこと、粘り強く頑張ることを意味します。スポーツでも勉強でも、人生でも、この「しぶとさ」はとても大切な力です。しかし伊達さんは、それだけでは世界では足りないと言います。さらにもう一段上の「図太さ」が必要だというのです。
「図太い」という言葉には、少し強い響きがあります。周囲の評価や一時的な失敗に動じないこと。プレッシャーの中でも自分を見失わないこと。そして、どんな状況でも堂々と挑み続けること。そうした強い心を意味しているのだと思います。
しかし伊達さんは、同時に大切なことも付け加えていました。それは「フェアプレーを行ったうえでの図太さ」であるということです。どれほど勝ちたいと思っても、ルールを守らなければならない。相手への敬意を忘れてはならない。正々堂々と戦う姿勢があってこそ、その「図太さ」は価値を持つのです。
私は、この言葉はスポーツだけではなく、皆さんの学校生活にも当てはまると思います。
勉強で思うような結果が出ないこともあるでしょう。部活動で負けて悔しい思いをすることもあるでしょう。人間関係で悩むこともあるかもしれません。そんなときこそ、まずは「しぶとく」努力を続けてほしいと思います。
そしてもう一歩進んで、失敗や周囲の声に必要以上に振り回されない「図太さ」を持ってほしいのです。挑戦する人には必ず失敗があります。しかし、それを恐れて何もしなければ、前には進めません。
大切なのは、ルールを守り、人としての誠実さを大切にしながら、堂々と挑み続けることです。フェアに、そして図太く。これは簡単なことではありません。しかし、そうした姿勢こそが、人を大きく成長させるのだと思います。
中越高校の皆さんには、ぜひそんな力を身につけてほしいと願っています。しぶとく努力し、そして図太く挑む。そうした一人ひとりの姿が、これからの中越高校をさらに力強い学校にしていくはずです。
皆さんの新しい挑戦を、心から期待しています。
以上