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2025.12.08 校長ブログ

はぎの通信 No.148(アンラーニングという学び)

 

はぎの通信 No. 148  (R7. 12.8)

 

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

アンラーニングという学びUnlearning

 

 皆さんは「アンラーニング(unlearning)」という言葉を聞いたことがありますか。最近、教育界でしばしば取り上げられる言葉ですが、決して「学んだことを忘れる」ことではありません。むしろ、新しい学びを受け入れるために、これまでの思い込みや古い習慣を一度手放す勇気のことを指します。

 

 私たちは日々、多くの知識や経験を積み重ねています。それ自体は大切な財産です。しかし、ときには「これまでこうだったから」「こうするのが当たり前だと思ってきたから」という考え方が、新しい挑戦の妨げになることがあります。そんなときに必要なのがアンラーニングです。

 

 たとえば、授業で「英語は文法が完璧でなければ話してはいけない」と思い込み、発言できないままでいる人がいるかもしれません。でも世界のコミュニケーションの現場では、「まず伝える」ことが何より大事です。この思い込みを手放せば、英語はもっと自由で、生きた言葉として使えるようになります。

 

 また、部活動でも同じです。「こういう練習方法が絶対だ」と信じて続けてきたことが、じつはもっとよい方法の発見を妨げていることがあります。先輩の代から続くやり方も尊重すべきですが、時代が変われば、練習も戦い方もアップデートされていきます。柔軟に考えることで、チームがさらに強くなることもあります。

 

 アンラーニングに必要なのは、自分を縛っている「当たり前」に気づくこと、そして一歩踏み出す勇気です。それは決して簡単ではありません。しかし、皆さんはこれからの社会を生きていく若者です。変化の激しい時代の中で、自分を成長させ続けるためには、この力が欠かせません。

 

 本校での学びの日々が、ただ知識を身につけるだけでなく、「考え方を更新する力」を育てる時間であってほしいと願っています。皆さん一人ひとりが、アンラーニングを恐れず、新しい自分を創り続けていくことを期待しています。

 

 今日も、前向きな一歩を踏み出していきましょう。

 

以上