はぎの通信 No.145(負けず嫌いを貫くということ)
はぎの通信 No. 145 (R7. 11.17)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
負けず嫌いを貫くということ(To be competitive)
先日の壮行会で、私は「負けず嫌いを貫いてもらいたい」という話をして、皆さんにエールを送りました。皆さんは「負けず嫌い」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。時には、意地を張っているだけのように見えるかもしれません。でも私は、皆さんがこれからの人生を歩んでいくうえで、この「負けず嫌い」を貫く心こそ、大切な力になると感じています。
ここで言う「負けず嫌い」とは、誰かに勝とうとするだけの気持ちではありません。昨日の自分に負けない、できなかったことを少しでもできるようにする、途中で投げ出さない――そんな前向きな姿勢のことです。たとえば勉強でつまずいたとき、「自分には無理だ」と思ってしまえばそこで止まってしまいます。でも、「もう一回やってみよう」「今度は違う方法で挑戦してみよう」と思える人は、必ず力を伸ばしていきます。
部活動でも同じです。練習で思うように成果が出ない日が続くと、心が折れそうになります。しかし、仲間に励まされ、自分を奮い立たせ、少しずつ課題を乗り越えていく。その積み重ねが、試合や大会やコンクール等での力強い一歩につながります。勝敗は結果として大切ですが、それ以上に、途中であきらめず向き合い続けた時間こそが、皆さんを成長させてくれます。
そして「負けず嫌いの力」は、学校行事や普段の生活にも息づいています。体育祭や文化祭などで、うまくいかなかったり意見がぶつかったりすることがあります。でも、その度に話し合い、工夫し、「もっと良くしたい」「前より成長したい」という気持ちで取り組んでいる姿を、私は何度も見てきました。そうした皆さんの粘り強さに、いつも心が温かくなります。
この「負けず嫌い」は、皆さんのこれからの人生にも必ず役立ちます。社会に出れば、計画通りにいかないこと、思い通りにならないことがたくさんあります。そんなとき、自分を支えてくれるのは、「もう一度やってみよう」「次は必ず乗り越えよう」という小さな前向きさです。成功する人とそうでない人を分けるものは、才能ではなく、「あきらめずに続ける力」だといっても過言ではありません。
中越高校には、皆さんの挑戦を支える先生方、仲間、そして地域の方々がいます。苦しくなったときには、どうか周りに頼ってください。そして、ほんの少しだけでいいので、自分に「負けない心」を持ち続けてください。焦る必要はありません。ゆっくりでも着実に、自分の力を伸ばしていけばいいのです。
皆さんが「負けず嫌いを貫く」ことで、これからどんな成長を見せてくれるか、私はとても楽しみにしています。これからも一緒に、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。
以上