はぎの通信 No.140(芸術鑑賞会を終えて)
はぎの通信 No. 140 (R7. 10.14)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
芸術鑑賞会を終えて(After the art appreciation event)
10月8日(水曜日)、長岡市立劇場にて「中国民族芸術団」による中国雑技を鑑賞する芸術鑑賞会を行いました。今年も全校生徒が一堂に会し、保護者や地域の皆さまのご協力をいただきながら、文化芸術に触れるかけがえのない時間を過ごすことができましたことを、心より感謝申し上げます。
舞台に現れた演者の皆さんは、中国各地から選ばれたトップレベルの雑技団で、世界各国での公演経験を持ち、数々の賞を受賞してきた方々です。会場が暗転し、照明の中に姿を現した瞬間から、生徒たちの視線は舞台にくぎ付けとなりました。
人間離れしたアクロバット、信じられないバランス芸、息の合ったチームワークによる大技の数々。会場のあちこちからは驚きの声や自然な拍手がわき起こり、ときには大きな笑いが巻き起こる場面もありました。特に演者と観客が一体となって盛り上がる瞬間は、国境や言葉の壁を超えて心が通い合うようで、私自身も胸が熱くなりました。終演後、生徒の中には「本当にすごかった」「どうやって練習しているんだろう」と興奮気味に話す姿があり、感動の大きさを物語っていました。
華やかな舞台の裏には、長年にわたる鍛錬と仲間への信頼があるはずです。一つの技を成し遂げるために必要な努力、失敗を恐れず挑戦する勇気、互いに支え合う姿勢――それらは私たちの学びや部活動、そして日々の生活にもつながる大切な教訓です。生徒の皆さんも、舞台から受け取ったメッセージを自分の歩みに重ね合わせてほしいと願っています。
同時に、中国雑技という伝統芸能を通して、文化の多様性や芸術の力を実感する機会にもなりました。国や言葉が違っても、表現そのものが人の心を動かし、感動を共有できる――芸術の持つ普遍的な力を改めて感じさせられました。
本校では、学習や部活動に加えて、こうした文化芸術との出会いを大切にしています。なぜなら、知識や技術だけではなく、心を揺さぶる体験や新たな価値観との出会いこそが、生徒の皆さん一人ひとりの人生を豊かにするからです。今回の芸術鑑賞会での驚きと感動が、皆さんの未来を形づくる小さなきっかけとなることを期待しています。
最後に、本会の実施にご尽力くださった教務部をはじめとする先生方、そしてご理解とご協力をいただいた保護者・地域の皆さまに心より御礼申し上げます。芸術の秋にふさわしい一日を共有できたことを嬉しく思いながら、今後も生徒の成長を共に見守っていけることを願っています。
以上