はぎの通信 No.138(修学旅行:沖縄への学びと出会いの旅へ)
はぎの通信 No. 138 (R7. 9.29)
中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)
修学旅行:沖縄への学びと出会いの旅へ
(School trip: A journey of learning and encounters to Okinawa)
明日から本校2年生は、3泊4日の修学旅行に出発します。目的地は、青い海と豊かな自然に恵まれ、独自の歴史と文化を持つ沖縄です。生徒の皆さんにとっては、仲間とともに過ごす特別な時間であると同時に、日常の学びを教室の外へと広げる貴重な機会となります。
沖縄は、日本の最南端に位置し、琉球王国として独自の文化を育んできました。首里城や伝統芸能、色鮮やかな工芸品などは、その歴史を今に伝えています。一方で、太平洋戦争の激戦地としての側面も持ち、平和学習の場として多くの人々が訪れます。ひめゆり平和祈念資料館や沖縄戦跡を訪れることは、平和の尊さを自らの目で確かめ、次世代へと語り継ぐ大切な学びとなるでしょう。
今回の修学旅行は、単なる観光ではなく、友人や先生方との共同生活を通じて、互いを思いやる心や自立心を育む場でもあります。集団行動にはルールがあります。時間を守る、体調に気を配る、仲間に声をかける――当たり前のことを一人ひとりが意識してこそ、全員が安心して楽しい時間を過ごすことができます。また、沖縄の方々との交流や現地の文化体験では、礼儀正しく、感謝の気持ちをもって接してほしいと思います。
ここで少し、私自身の高校時代についてお話しします。私の出身高校には、学年全体で動く修学旅行はありませんでした。その代わり、各クラスごとの「クラス旅行」がありました。旅行業者の選定から計画、行き先や予算の決定、さらに終了後の決算まで、すべてを生徒が主体となって進めました。教師は必要な助言をしてくださるだけで、基本的にはクラスの仲間と話し合い、工夫を重ねながら自分たちの旅行を作り上げていったのです。今思えば、この経験は責任感や協働の力を大きく育ててくれました。とはいえ、本校の修学旅行のように学年全体で一つの目的地に向かう修学旅行にはやはり憧れがあり、皆さんがこれから体験する学びと交流を羨ましく感じます。
保護者の皆さま、地域の皆さまには、日頃から本校教育活動にご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。生徒たちは、皆さまの支えを力に成長しています。今回の旅行を通じ、視野を広げ、人としてさらに大きく成長した姿を必ずやお見せできると信じております。
2年生の皆さん、一瞬一瞬を大切にしてください。青い海や空の美しさに感動するだけでなく、その土地が歩んできた歴史や人々の想いを感じ、自分の言葉で考えを深めてください。そして仲間と過ごす時間を存分に楽しみ、帰ってからはその体験を家族や後輩たちに伝えてください。それが修学旅行を本当の「学びの旅」にする一歩です。
どうか安全で充実した旅になりますよう、心から祈っています。皆さんが笑顔で帰ってくる日を楽しみにしています。
以上