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2025.06.30 校長ブログ

はぎの通信 No.127(幸せを感じ取る)

 

はぎの通信 No.127 (R7. 6.30)

 

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

幸せを感じ取る(Feeling happy

 

 1学期期末考査もあと1日。最後までしっかり頑張ってくださいね。

 

 先日、久しぶりに渡辺京二氏の本を読み返しました。『無名の人生』(文芸春秋(文春新書)、2014年)です。10年ぶりに読んでみて、今だから心に沁みる内容も読み取れたりして、これも読書の楽しみや喜びのひとつだと思いました。

 

 たとえば、私たちの過ごす日常のほんの何気ない出来事、その中で目にすること、耳にすること、それこそ五感を使って感じるとることの中に幸福の瞬間は眠っている、ということ。私も日頃から栖吉川沿いをよく散歩したりランニングしたりしていますが、四季折々に咲く道端の花や、あるいは、その日の天気によって変わる山々や川の景色に癒され、ほっとしたり、時に驚かされたりして、「ああ、生きているって幸せだなあ」などと一人心の中で感動している自分がいます。

 

 渡辺京二氏の言う通り、「この世は喜びの宝庫」であり、「幸福な瞬間は向こうからやってくる」ということなのだなあとつくづく思います。人生の喜びというのは、案外、このような何気ない、そして思いがけない小さな発見や感性によって成り立っているものなのかもしれません。

 

 若い時には、積極的に、時に貪欲に、前だけを見て進んでしまうものです。目標があり、憧れがあり、それを目指してひたすら努力し、汗をかく。そんな時代を決して否定するものではありませんが、そのような日常を送っていることで、本当はすぐそこにある何気ない、ほんの小さな物事や出来事の中にあるかもしれない「幸せ」を感じ取れないということになっているのかもしれません。その意味で、私は多くの幸せを逃してきたのかもしれません。でも、私はそれを嘆いたりはしません。人も自然も、そして、自分自身の感性も、変わりゆくものだと思うからです。

 

 ただ今定期考査の真っ只中。勉強に集中!いずれそんな時期が懐かしく思い出されるときが来ますよ。さあ、あと1日。頑張って!

 

以上