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2023.09.11 校長ブログ

はぎの通信 No.41(「ヒリヒリ感」のある生き方)

 

はぎの通信 No.41 (R5. 9.11)

 

中越高等学校長 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや)

 

「ヒリヒリ感」のある生き方(A Thrilling Way of Life

 

 9月6日(水)、本校において全校講演会を開催しました。講師は、角幡唯介(かくはた ゆうすけ)氏。北海道生まれの探検家・作家です。「犬橇で旅をする」という演目で、御講演いただきました。

 

 犬橇は5年前から始めて、活動のフィールドはグリーンランド。自分の犬の世話をするために、1年の半分くらいはグリーンランドに行かれるそうです。犬橇は大変難しい。2~3年かかって、ようやく何とか犬たちをコントロールできるそうです。犬橇の旅は、いったん出発すると40~50日くらいかかるそう。食料はその場で狩りをしながら調達。橇の下の雪や氷の状態は決して一定ではなく、段差や崖になっていることもしばしば。橇のコントロールを誤ると、大事故につながり、大ケガのおそれも。そして、恐ろしいのはシロクマとの遭遇。一回、3~4メートルくらいの距離で大きなシロクマと遭遇、目が合ってこちらに向かってきて、いったんは本当に死を覚悟されたそうです。そのとき、「これも、ありかな...」と思われたそう。運よく、追い払うことができたそうですが、その時の角幡さんの状態や心情を慮ると、言葉がありません。死と隣り合わせとはこのことかと思いました。

 

 そのほか、ジャコウウシの「憤死」のお話。そして、鳥の生肉の発酵食品である「キビア」のお話(ものすごい臭気だそうですが、食べるとクセになって、やみつきになるそう...)。

 

 私が心に「ズキン」ときたこと。それは、冒頭のタイトルのことばです。「生きている手ごたえ」、それを角幡氏は「ヒリヒリ感」と表現されました。それを求めることこそ人生だ、ということです。胸に刺さりました。「今、自分は確かに、ここにいる。ここにこうして生きている!」心底から言えるか。厳しく問われた思いがしました。

 

 主催してくださった新潟日報社及び集英社の皆さま、本当にありがとうございました。改めて深く感謝申し上げます。

 

以上